お知らせ

IPCR「中国と東南アジアにおける政治経済的変容と女性の移動」第3回研究会のご案内

下記の通り、京都大学東南アジア地域研究研究所・共同研究会(IPCR)「中国と東南アジアにおける政治経済的変容と女性の移動」の第3回研究会を開催します。
どなたでも自由に参加できるオープンな研究会です。事前の手続きは必要ありません。ぜひお気軽にご参加ください。

時: 2019年1月31日(木)13:00~16:00
会場: 京都大学東南アジア地域研究研究所・稲盛財団記念館201号室(東南亭)
https://kyoto.cseas.kyoto-u.ac.jp/

プログラム:
13:00~14:30
堀江未央(名古屋大学高等研究院)
「ヨメ探しの連鎖はどこまで続くのか:中緬国境域における山地民ラフの越境結婚」

14:30~16:00

佐藤若菜(新潟国際情報大学)
「中国貴州省におけるミャオ族の社会的階層と配偶者選択:女性の移動が与えた影響に着目して」

報告要旨
堀江未央

「ヨメ探しの連鎖はどこまで続くのか:中緬国境域における山地民ラフの越境結婚」

近年、ミャンマー北部・東北部から中国境内への女性の越境結婚が増加している。ある報告によれば、そうした結婚の多くが強制結婚であり、ビルマ人よりも少数民族女性が多く、人身売買や強制妊娠などの人道的問題があると指摘されている。これは、
1979年から2015年まで実施された中国の一人っ子政策の結果、跡継ぎとなる男児の出産を選好する中国各地で起こってきた女性不足の帰結である。

本発表では、中緬国境域に分布する山地民ラフを対象として、発表者がこれまで研究してきた雲南ラフ女性の漢族地域への遠隔地結婚を紹介しつつ、その延長線上にある近年のミャンマーラフ女性の中国境内への越境結婚について調査報告を行う。その際、上述のような人道的問題だけでなく、当該地域にかつてから存在した人の移動や、そこで築かれてきたネットワークに着目し、地域によって越境結婚の方法や帰結に違いがあることを指摘する。

佐藤若菜

「中国貴州省におけるミャオ族の社会的階層と配偶者選択:女性の移動が与えた影響に着目して」

1990年代以降の中国では、戸籍登録地を離れて他地域へ移動し常住する、いわゆる流動人口が急増しており、その約8
割は農村からの出稼ぎ労働者とその家族である。本発表においては、この出稼ぎ労働者のなかでも中国西南部貴州省出身のミャオ族女性に着目し、沿海部の出稼ぎ先で出会った漢族男性との結婚が、送り出し社会においてはどのように位置づけられているのかを検討する。

貴州省のミャオ族には、妖術や近隣村に暮らす漢族との関係によって振り分けられた社会的階層があり、この階層を問いあわせながら配偶者を選択している。本発表では、ミャオ族女性による配偶者選択の過程を示すとともに、社会的階層の照会においては、出稼ぎ先で出会った省外出身の漢族男性と、近隣村に暮らす漢族男性とが異なる位置づけにある点を指摘する。

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佐藤 若菜 Wakana SATO
新潟国際情報大学 講師
京都大学大学東南アジア研究所 連携講師
E-maill:wsato[at]cseas.kyoto-u.ac.jp
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