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Special Seminar: Frontiers of Gender Studies in Asia

開催日時: 2017年11月14日 14:00-16:00
場所: 東南アジア地域研究研究所 稲盛財団記念館2階 セミナー室(213号室)

講演 1
タイトル: インドネシアにおける女性のリーダーシップに関する研究:知識の源泉・新たなナラティブ・既存の限界としての女性(2005~2017年)
報告者: クルニアワティ・ハストゥティ・デウィ (インドネシア科学院 [LIPI] 主任研究員)   

要旨:
この12年間(2005~2017年)、私はインドネシアにおける戦略的なジェンダー問題の一つである女性のリーダーシップに関する調査に、時間と労力を費やしてきた。イスラム教国では女性は差別されているという一般的な認識の妥当性を確認したいという思いから、私は、インドネシアのイスラム教における女性のリーダーシップを調査し始めた。ムハマディヤ・イスラム近代主義運動における女性のリーダーシップの談話と実践に始まり、ナフラトゥル・ウラマ・イスラム伝統主義運動を経て、2008年から現在に至るまで、地方自治体の長としてのムスリム女性政治指導者に研究を拡大してきた。長年の調査を通じて、彼女たちの考え、経験、政治的ストーリーは、社会階級だけでなく、公共圏におけるイスラム教、ジェンダー、ネットワーク、信心、セクシュアリティの相関の全体像を明らかにすることを可能にする、真の知識源となっている。彼女たちは、以前は男性が支配していたインドネシアの民主化を率先して形成することができる女性として、公共圏におけるムスリム女性の役割についての新しい物語を生み出している。また、西洋のフェミニストの理解とは異なる、ベールに覆われたものの新しい理解も生まれている。とはいえ、女性リーダーが汚職事件のために悪い形で任期を終えてしまうケースもある。ジェンダー学や女性学の普及に努めている女性研究者の立場からすると、この事実は、ジェンダー意識を高めるための私の努力を弱めるものである。インドネシアにおける女性のリーダーシップに関する規範的期待と実状とのギャップを縮めるためには、やるべきことはたくさんある。


講演 2
*中止
タイトル: 東南アジアにおけるジェンダー:流動性・せめぎ合い・交渉可能性
報告者: シャンティ・タンビャー (マラヤ大学 人文社会科学部 ジェンダー研究 准教授)      


コメンテーター
:
速水 洋子 (京都大学 東南アジア地域研究研究所 教授)
後藤 絵美 (東京大学 日本・アジアに関する教育研究ネットワークおよび東洋文化研究所 准教授)

モデレーター:  
ハウ・カロライン (京都大学 東南アジア地域研究研究所 教授)       

**本セミナーは、CIRAS共同利用・共同研究プロジェクト「ポスト社会主義イスラム空間におけるジェンダー・家族・モダニティ:中東イスラム地域研究との連携を求めて」との共催である。   


報告者の紹介
:
クルニアワティ・ハストゥティ・デウィ博士は、インドネシア科学院[LIPI] 政治研究センターの主任研究員であり、アジア女性学協会[AAWS]のメンバーである。オーストラリア国立大学でアジア研究の修士号、京都大学で地域研究の博士号を取得。研究テーマは、「ジェンダーと政治」「ジェンダーと地方分権」「イスラムと女性のリーダーシップ」「女性と少数民族の表象」「女性と子どもの人権」など。著書は主要学術誌に掲載されている。

 

***託児サービス(無料)の利用を希望される方は、2017年11月5日までにご連絡ください。(shitara[AT]cseas.kyoto-u.ac.jp) 

コンタクト: obiya[AT]cseas.kyoto-u.ac.jp

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