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京都大学総合博物館2018年度・特別展 「カメラが写した80年前の中国ー京都大学人文科学研究所所蔵 華北交通写真」


日時: 2019年2月13日(水)〜4月14日(日)
場所: 京都大学総合博物館2階・第二企画室

この度、京都大学に戦後70年あまりの間秘蔵されていた「華北交通写真」を、西日本で初めて展示することになりました。
「華北交通写真」とは、戦前(1939–45)、中国の北部・西北部一帯の交通網(列車、バス、船舶など)を管轄していた日中合弁の華北交通株式会社(以下、華北交通)による広報用ストック・フォトのことを指しています。その数、3万5千点あまり!
戦前中国にあった日系の会社で、自社用にストックしていた写真が、これほど完璧な状態で残っている例はほとんどありません。それほど貴重な写真群が、戦後の混乱期に、縁あって京都大学に委託され、今日まで京都大学人文科学研究所で大切に保管されてきたのです。
華北交通写真には、日中戦争下における戦闘状況はほとんど描かれておらず、地域の交通インフラ、資源、産業をはじめとして、風土、民俗、文物といった多様かつ多彩なイメージが盛り込まれています。公表された写真は軍などの検閲にかかりましたが、未使用のものはそうした規制はありませんでした。そのため、このストック・フォト全体を注意してみれば、80年近く前の中国の風景を読み取ることも可能なのです。
京都大学が所蔵し、いまだ公開にいたっていない資料群は、まだまだあります。その保存、公開に向けて、私たち人文系の研究者も、力を合わせて尽力しているところです。
みなさんが、この写真展を通じて、日本、中国、さらには周辺アジア諸国の歴史や文化について、興味をもっていただければ幸いです。
なお、本企画展開催にあたって、平成30年度全学経費(特別協力経費)および主催者3部局の部局長裁量経費をいただきました。関係者各位に対して、あらためて感謝申し上げます。

特別展「カメラが写した80年前の中国」実行委員会委員長
京都大学東南アジア地域研究研究所 貴志 俊彦

 

*展覧会で掲示できなかった写真をスライドショーとしてプロジェクターでご覧いただきます(所要時間約60分)。
(1)鉄道、(2)女性、(3)子供、(4)学校、(5)食と住居、(6)老いと医療、という6つのカテゴリーを軸に写真450点あまり

*京都鉄道博物館でお借りする当時の華北交通の無声短編フィルムを2本上映いたします。
(1)「華北交通創業」(1939年、制作:南満洲鉄道株式会社)、(2)「華北交通の社員生活」(1943年、制作:華北電影股份有限公司)

 

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