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空き家推定モデルの精度:市町村と国勢調査のデータセットを用いた実証評価

2022.11.07

日本では、過剰な住宅供給、人口減少に加え、様々な制度的インセンティブにより空き家が増加しており、空き家の分布を市町村レベルで迅速、効果的、安価に推定する手法が求められています。

馬塲弘樹 特定助教(京都大学白眉センター特定助教)らは和歌山市を事例として、国勢調査から住民基本台帳、建物登記、水道使用量など様々なデータを組み合わせて空き家推定モデルの精度を比較しました。

図3 データ処理のイメージ図
BR:建物登記、NC:国勢調査、RR:住民基本台帳、
VH:空き家実地調査、WU:水使用量、Zmap:Zmap TOWN II

本研究は、Baba et al. (2020) で提案されたモデルを発展させ、データの違いがモデルの精度にどの程度影響を与えるかを検証しました。その際、利用可能なデータに制約がある場合であってもデータセットの適切な組み合わせの提案は可能であり、さらにどのデータセットが空き家の探索により役立つかを明らかにしたことで、空き家推定モデル運用の実現可能性を高めたと考えられます。

この研究成果は学術雑誌Transactions in GISに掲載されました。

参照文献:
Baba et al. (2020) ISPRS Annals of the Photogrammetry, Remote Sensing and Spatial Information Sciences. doi.org/10.5194/isprs-annals-VI-4-W2-2020-1-2020

研究者情報

馬塲弘樹 京都大学教育研究活動データベース

書誌情報

タイトルAccuracy of vacant housing detection models:
An empirical evaluation using municipal and national census datasets
著者Kanta Sayuda, Euijung Hong, Yuki Akiyama, Hiroki Baba, Tomoya Tokudomi, Toshihiko Akatani
掲載誌Transactions in GIS
DOI10.1111/tgis.12992

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