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CSEASメールマガジン第39号 – 2025/3/26

2025.04.23

====トピックス============================
 1. お知らせ
 2. 研究集会とイベント
 3. 出版
 4. 講演・報告
 5. ポッドキャスト「ブックトーク・オン・アジア」
 6. メディアへの露出
 7. 最近のイベント
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 1. お知らせ

【3月のGet Together】
・3月27日(木)12時30分より、月例の所内歓送迎会Get Togetherが稲盛財団記念館3階小会議室II(I332)にて開催されます。今回ゲストとしてお迎えする招へい研究者の方々の紹介ページは、こちらからご覧いただけます。

【写真撮影会のお知らせ】
・3月27日(木)のGet Togetherが始まる前、12時20分より集合写真の撮影会を開きます。皆様、中庭へご参集ください(雨天時:リサーチコモンズ)。

【ビジターズ・ボイス】訪問研究者の方々へのインタビュー「ビジターズ・ボイス」に新たに記事が加わりました。
 ソル・イグレシアスさんインタビュー“Finding Answers for Why Violence Occurs”

【公募】共同利用・共同研究拠点「グローバル共生に向けた東南アジア地域研究の国際共同研究拠点(GCR)」2025年度共同利用・共同研究プログラムの公募を開始しました。応募締切は2025年4月7日(月)です。 公募要領

【受賞】学振特別研究員の志田夏美さんが日本学術振興会育志賞を受賞しました

【お知らせ】ダイキン工業との産学連携共同研究事業紹介サイト「CSEAS × DAIKIN Joint Research」のティザーサイトを公開しました

【お知らせ】2024–25年度研究所要覧(和文)を刊行しました。研究所および研究活動の広報にご活用ください。冊子版をご入用の際には編集室あるいは各研究支援室におたずねください。PDF版はこちら

【お知らせ】第48回 東南アジアセミナー「新しい都市生活の共創―気候変動時代における生活の質向上のために」報告書を公開しました。岡本正明教授によるセミナーの総括、セミナー参加者によるレポート、現地での写真を掲載しています。ぜひご覧ください。

 2. 研究集会とイベント

『タイに生きて~報道写真家・瀬戸正夫の人生』制作報告会+国際ファッション専門職大学学生作品上映+トーク
 日時:2025年3月28日(金)18:00–20:00(開場17:30)(日本時間)
 場所:京都大学東南アジア地域研究研究所東棟1階マルチメディアルーム

第30回アジア・アフリカを知る集い
 日時:2025年3月29日(土)13:30–16:00(日本時間)
 場所:アジア・アフリカ図書館3階(三鷹市新川5-14-16)
 題目:インドネシア映画の上映とトーク 夢見るインドネシア-伝統と開発の葛藤を超えて自ら拓く未来
 上映作品:『ジャングル・スクール』(リリ・リザ監督、90分、日本語字幕付)
 登壇者:西芳実(CSEAS)

京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科2025度第1回アフリカ地域研究専攻オープンキャンパス
 日時:2025年3月29日(土)14:00–16:30頃(13:50開場)
 場所:オンライン(Zoom)

KINDOWS第8回公開講座『ジャパニ~ネパール 出稼ぎ村の子どもたち~』上映会
 日時:2025年3月29日(土)14:00–16:30(13:30開場)
 場所:京都大学吉田キャンパス北部構内北部総合教育研究棟1階益川ホール

公開講座「京大知の森」
 日時:2025年4月13日(日)14:00–17:00(日本時間)
 場所:京都大学国際科学イノベーション棟5階シンポジウムホール
 テーマ:地域研究の視点から読み解く「グローバルサウス」

CSEAS Journal Reading Session 
 日時:2025年4月21日(月)16:00–18:00(日本時間)
 場所:京都大学稲盛財団記念館2階東南亭(I201)
 紹介論文:Wang, Weiwei, et al. 2023. “Earliest Curry in Southeast Asia and the Global Spice Trade 2000 Years Ago.” Science Advances, 9(29): eadh5517. doi: 10.1126/sciadv.adh5517およびDenpetkul, Thammanitchpol, and Arthit Phosri. 2021. “Daily Ambient Temperature and Mortality in Thailand: Estimated Effects, Attributable Risks, and Effect Modifications by Greenness.” Science of The Total Environment, 791: 148373. doi: 10.1016/j.scitotenv.2021.148373
 紹介者:山田千佳(CSEAS)

京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科東南アジア地域研究専攻オープンキャンパス2025
 日時:2025年6月1日(土)13:00–17:00(12:50開場)
 場所:オンライン(Zoom)
 参加方法:要事前申込

第146回京都大学丸の内セミナー
 日時:2025年6月6日(金)18:00–19:30(日本時間)
 場所:京都大学東京オフィスおよびオンライン(Zoom)
 題目:アジアの沿岸に暮らすイルカたち
 報告者:木村里子(CSEAS)

 3. 出版

【最新号】和文誌『東南アジア研究』62巻2号を1月31日に刊行しました。今号では、2本の論文と8つの書評を掲載しています。すべての論考は本誌ウェブサイトおよびJ-Stageで公開しておりますので、ぜひご覧ください。

【最新号】英文誌Southeast Asian Studies Vol. 13 No. 3を12月26日に刊行しました。本誌ウェブサイトJ-Stageにて全文公開しておりますので、ぜひご覧ください。

【最新号】多言語オンラインジャーナルKyoto Review of Southeast Asia 第40号を3月1日に刊行しました。今号の特集 “Eroding Electoral Integrity: Reasons for Democratic Backsliding in Southeast Asia” ではAsian Centreが編者を務め、5本の論文を掲載しています。各論文は英語、タイ語、インドネシア語、フィリピン語、ベトナム語、ミャンマー語、日本語で全文をお読みいただけます。また、英文による5本の書評を掲載しています。

【コラム公開】Kyoto Review of Southeast Asia “TRENDSETTERS” コラムを3月1日に公開しました。
    “Navigating the Complexities: Challenges and Prospects of Collaborative Governance in Thai Local Administration” by Grichawat Lowatcharin.

【最新号】ニューズレター3月号を公開しました。今月の記事は以下の2篇です。
 図書室コレクション紹介「石井米雄コレクション(第2回):ビルマのイスラーム資料と非イスラーム資料を収めた紙筒」(マジッド・ダネシュガル)
 かもがわ便り「翻訳という根本的な問いに向けて」(土佐美菜実)

【報告】「イスラーム信頼学」(科研・学術変革領域研究(A)「イスラーム的コネクティビティにみる信頼構築:世界の分断をのりこえる戦略知の創造」)ウェブサイトにて、『イスラームからつなぐ2 貨幣・所有・市場のモビリティ』合評会のウェブ報告が公開されました。報告者:町北朋洋、三浦徹、岸本美緒、加藤博、長岡慎介、亀谷学、平野(野元)美佐、荒井悠太、五十嵐大介、岩﨑葉子、小茄子川歩、安田慎、黒木英充、ハシャン・アンマール、井黒忍

【新刊】足立真理『イスラームの慈善の論理と社会福祉─現代インドネシアにおけるザカートの革新と地域の主体』明石書店、2025年。

【新刊】中野真備『海を「視る」技術─インドネシア・バンガイ諸島サマ人の漁撈と環境認識』京都大学学術出版会、2025年。

【新刊】西尾善太『人間の都市─マニラを鼓動させるジープニーとおっちゃん』花伝社、2025年。

【新刊】師田史子『日々賭けをする人々─フィリピン闘鶏と数字くじの意味世界』慶應義塾大学出版会、2025年。

【論文】Raymond, Gregory V. 2025. “An Authoritarian Security Community in Mainland Southeast Asia: Regional Dynamics in an Actor-Centred Theory of Transnational Authoritarianism.” Democratization, March, 1–22. doi:10.1080/13510347.2025.2462974

【コラム】貴志俊彦「連載 戦中写真を読む(33)帝国の周縁 ニューギニア 現地住民駆り出す工作」『毎日新聞』2025年3月4日東京地方版。

【コラム】貴志俊彦「連載 戦中写真を読む(34)帝国の周縁 アリューシャン列島 部隊全滅「玉砕」と美化」『毎日新聞』2025年3月11日東京地方版。

【コラム】貴志俊彦「連載 戦中写真を読む(35)帝国の周縁 アンダマン・ニコバル諸島 インド独立運動を利用」『毎日新聞』2025年3月18日東京地方版。

【コラム】貴志俊彦「連載 戦中写真を読む(36)帝国の周縁 タラワ・マキン 玉砕さえ愛国心高揚に」『毎日新聞』2025年3月25日東京地方版。

【コラム】設樂成実「Library Publishing Coalition設立10周年:その概要と進歩」カレントアウェアネス-E、No. 497、2025年2月27日公開

【近刊】中西嘉宏・永井史男・河野元子編著『東南アジア政治へのアプローチ─君主制・統治・社会経済』晃洋書房、2025年3月刊行予定。

【近刊】生態人類学会編『ザ・フィールドワーク─129人のおどろき・とまどい・よろこびから広がる世界』京都大学学術出版会、2025年3月刊行予定。

【近刊】Majid Daneshgar, Persianate Prose and the Making of Malay Muslim Literature: Text, Translation and Commentary of the Durr al-Majalis, Edinburgh University Press, April 2025.

【近刊・分担執筆】Kisho Tsuchiya, contributor, in Hajimu Masuda, Ed., Cold War Asia: Unlearning Narratives, Making New Histories, The University of North Carolina Press, May 2025.

【近刊・分担執筆】Nawawi, Athiqah Nur Alami, Julius Bautista, Maitrii Aung-Thwin, Deasy Simandjuntak, Yanu Endar Prasetyo, eds., Managing Disruption and Developing Resilience for a Better Southeast Asia: The 4th SEASIA Biennial Conference 2022, Springer Proceedings in Humanities and Social Sciences, May 2025.

【近刊】Takahashi, Tomoko. 2025 forthcoming (accepted). “Two Questions of Sovereignty: China and the Global South in the United Nations General Assembly (1971–1990)”, Global Studies Quarterly.

 4. 講演・報告

【講演】Theara Thun and Kisho Tsuchiya, “Epistemologies and Emplacements,” Series Histories of Anti-Colonial Thought in Southeast Asia, Centre for Southeast Asia Research, the University of British Columbia, March 10, 2025.

【講演】Nathen Badenoch・設楽成実、第5回ScholAgoraセミナー「大学からのジャーナル発信 Southeast Asian Studiesの挑戦と課題」、2025年3月14日(金)、オンライン(Zoom)。

【報告】町北朋洋「日本の外国人労働需要の代替関係─新型コロナウィルス感染症拡大期の入国制限に注目して」東京労働経済学研究会、東京大学、2025年3月14日。

【報告】高橋知子、京都大学L-INSIGHT(世界視力を備えた次世代トップ研究者育成プログラム)第5期生の活動開始イベント、2025年3月18日。

【報告】高橋知子「国際連合における主権概念の力学:中国・第三世界、日本・ドイツの実証研究」報告(討論者:本多美樹教授(法政大学))、第60回国連史コロキアム、明治学院大学白金キャンパス(ハイブリッド開催)、2025年3月22日。

 5. ポッドキャスト(音声プログラム)「ブックトーク・オン・アジア」

ポッドキャスト(音声プログラム)「ブックトーク・オン・アジア」シーズン1(No. 1〜No. 76)のプログラムをSoundCloudとYouTubeにて配信中です

 6. メディアへの露出

※掲載記事の一部はスクラップして稲盛財団記念館2階掲示板(研究支援室2の向かい側)に掲示しておりますので、適宜ご覧ください。

京都大学広報誌『紅萌』第47号(2025年3月25日発行)の巻頭特集「京都大学と東南アジア」にて西芳実准教授へのインタビュー「スマトラ島沖地震・津波から20年。次世代に記憶を語り継ぐ」が掲載されました(5頁)。また、「京都大学と東南アジアの70年」と題する沿革記事において当研究所が紹介されました(3頁)。

・毎日新聞(2025年3月11日朝刊)「ひと」欄にて「「毎日戦中写真」を研究する京都大教授」として貴志俊彦教授が紹介されました。

NHKクローズアップ現代「日本人がなぜ? ミャンマー “国際特殊詐欺” の闇」(2025年3月5日放送)に中西嘉宏准教授がゲスト出演し、ミャンマー情勢に関して解説を行いました。

・日刊まにら新聞(2025年2月28日)に清水展名誉教授のお悔やみ記事「清水展名誉教授が逝去 フィリピンに寄り添い半世紀」が掲載されました。

NHKサタデーウォッチ9「ミャンマーに国際犯罪拠点…日本人の関わりは?」(2025年2月26日放送)に中西嘉宏准教授が出演し、ミャンマー情勢に関して解説を行いました。

・The Southeast Asia Library Group(SEALG)ブログ(2024年10月25日)にマジッド・ダネシュガル准教授が企画したケンブリッジ図書館特別展「Endless Stories: Manuscripts, Knowledge and Translation in the 17th Century」を紹介する記事が掲載されました。

 7. 最近のイベント

貴志俊彦教授 京都大学退職記念講演
 日時:2025年3月21日(金)15:00–(日本時間)
 講演場所:京都大学稲盛財団記念会館3階大会議室(I333)
 演題:15年の軌跡に刻まれた視覚表現─写真と画像が紡ぐ私的物語─

駐日インドネシア大使の訪問
 日時:2025年3月18日(火)

International Seminar: Japan and ASEAN in the Indo-Pacific: Knowledge Flows From the 1980s to the Present
 日時:2025年3月13日(木)14:00–16:20(日本時間)
 場所:京都大学稲盛財団記念館2階セミナー室(I213)およびオンライン(Zoom)
 主催:ドイツ日本研究所(DIJ)、京都大学東南アジア地域研究研究所

プーケットラチャパット大学の表敬訪問
 日時:2025年3月12日(水)

Book Launch & Special Seminar: “China, SEA, and Border: From Methodological Engagement to Kaleidoscopic Lifeworlds?”
 日時:2025年3月11日(火)10:00–17:00(日本時間)
 場所:京都大学稲盛財団記念館3階中会議室(I332)

・ブラウンバッグ研究懇談会
 日時:2025年3月6日(木)12:00–13:30
 場所:京都大学稲盛財団記念館2階東南亭(I201)
 話題提供者:赤松芳郎(CSEAS)

データサイエンスで切り拓く総合地域研究ユニット2024年度年度末ワークショップ
 日時:2025年3月5日(水)9:00–17:30(日本時間)
 場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室(I333)

プラムディヤの世界:プラムディヤ・アナンタ・トゥール生誕100年記念セミナー
 日時:2025年3月4日(火)13:00–16:15(日本時間)
 場所:京都大学稲森財団記念館2階セミナー室(I213)およびオンライン

・「映像で学ぶ東南アジアの文化と社会」自主上映会
 日時:2025年2月28日(金)18:00–(日本時間)  
 場所:京都大学東南アジア地域研究研究所東棟1Fマルチメディアルーム2
 上映作品:「ハッピー・オールド・イヤー」(115分、タイ語、日本語字幕あり)

「東南アジアの自然と農業研究会」第200回記念例会
 日時:2025年2月28日(金)15:00–17:30(研究会)、18:00–(懇親会)
 場所:京都大学稲盛財団記念館3階大会議室(I333)およびZoom
 題目:東南アジアの自然と農業研究のこれまでとこれから 

東南トーク
 日時:2025年2月28日(金)15:00–17:00(日本時間)
    場所:京都大学稲盛財団記念館2階東南亭(I201)
    題目:“Karampátan ñg Tao”: Tracing the Rise of Tagalog Human Rights Discourse Using a Textual Corpus
    報告者:Ramon Guillermo(フィリピン大学ディリマン校)

Special Lecture by Sudirman Said
    日時:2025年2月28日(金)15:00–17:00(日本時間)
    場所:京都大学稲盛財団記念館3階中会議室(I332)
 題目:100 Days of Prabowo Administration: The Leadership and Governance Challenges
 報告者:Sudirman Said(インドネシアエネルギー鉱物資源相(2014–2016))
 討論者:岡本正明(CSEAS)
 司会:Wahyu Prasetyawan(CSEAS招へい研究員)

科学技術振興機構 アジア・太平洋総合研究センター第40回アジア・太平洋研究会
 日時:2025年2月28日(金)15:00–16:30(日本時間)
 開催方法:Webセミナー(Zoom)
 講師:河野泰之(京都大学)
 演題:日ASEANの研究・人材育成協力の課題と展望

CSEASコロキアム
 日時:2025年2月27日(木)13:30–15:00(日本時間)
 場所:京都大学稲盛財団記念館3階中会議室(I332)
 タイトル:Networks of Power and Business: Indonesia’s Political Economy
 報告者:Wahyu Prasetyawan (Syarif Hidayatullah State Islamic University (UIN) in Jakarta / Visiting Research Scholar, CSEAS)

マタラム大学の表敬訪問
 日時:2025年2月25日(火)

■編集後記 ——————————————–

今月の中旬、ジャカルタの湾口にあるカンポンを散策した。船を修理するおっちゃん、干物を作る親子や電源のない監視カメラを管理している人々と話すのは楽しい体験だった。しかし、それはラマダンの真っ只中の昼下がりで、私たちはすぐに疲れ果てて、乗合バスで帰ることにした。ただ、私たちが乗ったバスは、地域で亡くなった誰かを葬儀するために地元住民によって予約されていた。そのため、何人かの住民を拾った後、バスはまたカンポンの入り口に戻ってしまった。そして、炎天下の中、私たちは再び同じ道のりを歩いて帰るバスを探すはめになった。(G)

資料収集のためフィールドワークを行い、久しぶりに現地の大学図書館へ足を運びました。以前は開かれた雰囲気の場所でしたが、近年はセキュリティが強化され、部外者の立ち入りが制限されるなど、閉鎖的な印象を受けました。変化に戸惑いつつも、貴重な資料に触れ、研究に新たな視点を得ることができ、研究における現地調査と文献調査の重要性を改めて認識しました。(TK)

最近、学会の開催に合わせて、5年ぶりにアメリカの母校を訪れる機会がありました。当時の私は、学位授与まで3か月を残し、コロナ禍でキャンパスがロックダウンとなったために、先生や友達としっかり挨拶ができないまま、帰国していました。本来ならば5年前の6月にあったはずの卒業式と記念撮影をしようと、現地に残っている友達が、改めて私のレガリアの写真を撮ってくれた時、ようやく卒業したという感じがしました。そこで改めて感じたのは、学び舎という場所、そこに息づく草木、そしてその瞬間に誰とどんな会話をしたのかが、思い出には刻まれるのだということです。そして同時に、当時の同級生が世界のいろいろなところで現れては活躍しているのを見るにつれ、それが感傷的な一幕ではなくて、むしろ次のチャプターの出発点だったのだと感じます。3月、東南研から多くの先生方・皆さまがご退職・ご異動されますが、研究会や学会にて次の楽しいひと時をご一緒できます時を心待ちにしつつ、これまでのご指導に御礼申し上げます。(T.T.)

フィリピンのある政治思想家のエッセイを読んでいたところ、「政治について派閥的に考えることと、政治を理論的に考えることは違う」という論旨に出会いました。しかし、「政治について派閥的に考えること」だけに留まっている情報や知識の方が多いというのも実際の状況だなぁと思います。どうしても自分の好きなジャンルの論文、同様な意見、友人の作品を読み続けてしまうような要因は研究者にもあるのですが、成長するためには自分とは異なる思想や方法論、読んでいて不快に思うような論文等にも積極的に触れていく必要があります。好きな論文リストに加えて、嫌いな論文リストを作る。なぜ感情的に好きなのか、なぜ嫌いなのか、理論的な強みや弱みは何なのかと考えてみる。兵法ではないですが、「敵を知り己を知る」重要性を思い出させられた今日この頃でした。(KT)

研究所の中庭の桜もようやく咲き始めたようである。今年度の冬は3月初めまで寒さが続いた。日本では山林火災が各地で発生している。
インドネシアでも気象の変化がみられている。スマトラ島リアウ州プララワン県の住民は、魚が捕れる時期を月で示すのが難しくなってきたという。この県は毎年洪水があるが、現地の報道では雨量や詳細な天気について触れることはあまりない。地元出身者はこの地域の洪水は災害とは思っていないとのことだが、気象が変わってきたなかで雨の計測は重要だとあらためて思った次第である。(M・O)

ありがたいことに花粉症を知らずに生きてきましたが、今朝より突然黄砂にやられています。年度末の忙しい時期なのに何たることか。ヤードムさまにお助けいただきなんとか乗り切りたいと思います!(sn)

雛祭り用の桃の枝を活けてから、なんとなく家に枝を飾る習慣がつきました。枝のほうが生花より長く楽しめるのは確かですが、密室性の高いマンションは暖かすぎるようですぐ咲いてしまいます。今は吉野桜と彼岸桜が満開です。東南研の中庭にある枝垂れ桜も少しずつ色づいてきました。
出会いと別れの春。お別れは少し淋しいですが、きっとその先に素敵な出会いがあると信じています。(SK)(参考:桜について農水省HP記事

昨日知った言葉から。「どこまで実現できるかは置いといて、まずは大風呂敷を広げてみることにしている。というのも、これは特に根拠のない思い込みなのだが、最初に広げた風呂敷の大きさによって、実現できるものの大きさも変わると思っているからだ」(山本貴光「理想の図書館」p.169『図書館を建てる、図書館で暮らす  本のための家づくり』(橋本麻里・山本貴光著、新潮社、2024年)。いつも年度末が近づくと、高い志のもと約一年前に定めた目標群と、手元にあるわずかな成果の間の恐るべき乖離に慄然とし、法螺を吹くのはもうやめようと思いかけます。しかしそれで良いのか。この山本貴光氏の一文を読むと、目標を高く大きく定める行為自体に意義があると思い直します。そして今年度末で退職してゆく同僚との会話や姿からは、蛮勇それ自体が周りを励ましていたことが思い出されます。風呂敷は広げるもので、畳まないことが大事と感じるようになりました。(M)

––– CSEAS メールマガジン第39号 ––––––––––

 2025年3月26日 発行
 京都大学東南アジア地域研究研究所 広報委員会

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