川本 佳苗

川本 佳苗
部門・職位
グローバル生存基盤研究部門
連携講師
専門
仏教学、宗教学、文化人類学
研究分野/キーワード
・上座部仏教
・ミャンマーとタイの仏教文化
・瞑想
・自死、自殺
・仏教倫理

川本 佳苗

ミャンマーのパオ仏教瞑想についての研究

今日、心を静める方法として世界的に広がる「マインドフルネス」は、仏教用語の「サティ」(気づき)に由来し、瞑想を通じて修練すべき心の要素の一つである。その実践である瞑想法がミャンマーには多数存在するが、観察眼を養う「ヴィパッサナー」の修行が主流である中で、私の研究では深い集中力である「ジャーナ」の達成を必須とするパオ瞑想法に注目している。上座部仏教の教理と関連して、いかにして現代の瞑想実践が形式化されてきたかを調査すると、仏典に多数の記述が残るにも拘わらずジャーナが軽視されヴィパッサナーが推進された過程には、戦争や政治との影響が分かっている。本研究では、パオ瞑想法を仏教修行の本質である集中力の再評価運動であると捉えて、「仏教瞑想とは何か」という大きな問いに一つの答えを提示したい。