木村友美 | 京都大学 東南アジア地域研究研究所

木村 友美

職名: 連携助教

MAIL: yumi [at] cseas.kyoto-u.ac.jp

研究部門

環境共生研究部門

専門分野

研究関心

・アジアにおける高齢者のフレイルとその関連因子-日本とタイにおける地域間比較研究
・ヒマラヤ高地における生活習慣病と食に関する「フィールド栄養学」研究




アジアにおける高齢者のフレイルとその関連因子-日本とタイにおける地域間比較研究
本研究は、高齢者が要介護状態になる前の「虚弱(フレイル)」の状態に注目し、高齢者の虚弱がどのような社会的背景と関連しているかを明らかにする。本調査は、本邦およびタイにおいて行うことで、既存の米国老年医学会による虚弱(フレイル)の定義のような身体的機能重視の診断でなく、うつ・QOLといった精神的健康、社会的背景の状況を調査することで、虚弱高齢者の健康状態を複合的視点から解き明かすことを目的とする。さらに、虚弱がどのように感じられ、どのような状態としてとらえられているかについての質的なインタビューを加え、アジア地域における虚弱の概念について考察し、2国間比較を行う。
本研究の意義は、高齢者の虚弱をアジア地域で医学的に評価する情報収集の新規性に加え、その虚弱の背景を、運動機能だけでなく、心理、社会的な側面からも明らかにすることで、生活環境・地域固有の課題を分析し提示することである。また、地域間比較研究として、介護保険等の公的制度が普及した日本と、地域の相互扶助のネットワークが強固であるタイを比較することで、高齢者の虚弱をとりまく社会的背景が浮き彫りになり、相互の特性から学ぶべき点が見出せる可能性を秘めている。これによって、地域にそくした介護予防への糸口を示し、今後高齢化人口が急増する東南アジア地域において重要な介護予防分野に寄与すると考えている。

ヒマラヤ高地における生活習慣病と食に関する「フィールド栄養学」研究
研究テーマとして「ヒマラヤ地域の食と生活習慣病」を中心に、フィールド栄養学調査を実施している。
生活習慣病の増加は、特に開発途上地域において重大な社会問題になっている。本研究では、生態環境や近代化がどのように高齢者の食と健康状態・生活習慣病に関連しているのかという点に注目し、ヒマラヤ高地のインド・ラダーク地方の異なる3地域(都市部、農村部、高原部)において行い、地域的な相違点や普遍性を検討する。研究で用いる栄養調査手法には、既存の栄養摂取量の調査に加え、独自に開発したFDSK-11という多角的な視点をもつ食評価ツールを用いて、地域の生態、文化的背景を包括的に捉える、「フィールド栄養学」の調査手法を用いる。これによって、地域にそくした「食」からの生活習慣病予防へのアプローチのモデルを構築することが、本研究の社会的意義といえる。