紺屋あかり | 京都大学 東南アジア地域研究研究所

紺屋 あかり

職名: 連携助教

MAIL: konya [at] cseas.kyoto-u.ac.jp

研究部門

相関地域研究部門

専門分野

研究関心

・ボイシングの人類学:西太平洋島嶼パラオにおけることばと行為




ボイシングの人類学:西太平洋島嶼パラオにおけることばと行為
本研究は、グローバリゼーションの状況下において母国語衰退危機にあるミクロネシアの
パラオを対象に、口頭伝承の継承と実践をめぐる変遷過程について、通算23ヶ月にわたるフィールドワークを通じた参与観察から明らかにするものである。「一人の老人が亡くなれば村の歴史の半分が消える」と言われ、国民国家形成期以降からローカルーナショナルレベルで口頭伝承のテクスト化作業がすすめられてきた。しかし、それら文書は、国会や裁判、あるいは村落政治の場においてそれほどの効力を持っていない。人々は語られる声とことばにのみ応答している。現代のパラオ社会におけるボイシング(voicing) とは何か、テクストはなぜ力を持たないのか。
本研究は、このボイシングという人々によることばの行為に着目することで、従来の口頭伝承論、ないしは、オーラリティ研究における、(1)文字文化との対比的捉え方、(2)近代化論における文化変遷の解釈、を乗り越え、当該社会における相互行為としてのボイシング、ないしはテクスト化も包含したボイシングの実践として位置づけ直す試みである。