水野久仁香 | 京都大学 東南アジア地域研究研究所

水野久仁香

職名: 連携研究員

MAIL:

研究部門

政治経済共生研究部門

専門分野

研究関心

・ミャンマー、ヤンゴン市における再開発ビル内の公設市場の空間利用形態について




ミャンマー、ヤンゴン市における再開発ビル内の公設市場の空間利用形態について
2011年の民主化以降、ミャンマーでは市場開放による外資投入や経済力強化の政策により、都市部では数多くの開発事業が進行している。ミャンマー最大の商業都市であるヤンゴン市の開発はその代表的な例といえる。ヤンゴン市内では低層で老朽化した建築物の立て直しや高度利用推進の目的で再開発事業が活発に実施されているが、これらの事業がミャンマー都市部の空間利用形態に及ぼす社会・文化的な影響を十分に検証しているとはいえない。一方、途上国の多様な地域において、現存する伝統的な屋外市場や街路空間の利用形態に関する研究実績があるものの、近代的な都市開発手法がそれらに及ぼす影響を分析する研究は少ない。そこで本研究は、再開発ビルに移転した伝統的市場の機能に着目し、地域住民の再開発ビル全体および周辺の利用形態について分析を行う。
 ヤンゴン市内にはヤンゴン市開発委員会(Yangon City Development Committee, 以下YCDC)が行政区域であるタウンシップごとに公設市場を設置しており、伝統的な市場形態を残す公設市場が地域の重要な商業機能を担っている。YCDCは屋外の公設市場を再開発ビルの地階もしくは地下階に移設し、上階にモール形態の商業施設等を誘致する手法を実施している。そこで本研究は、地域住民の再開発ビルの伝統的市場と近代的商業施設が果たしている機能、利用者の社会・文化的特徴を分析する。
 フィールド調査はヤンゴン市内ボタタウン・タウンシップ(Botahtaung Township)に位置し、2016年に竣工したイェーチョー・マーケット(Yae Kyaw Market)の再開発ビルを対象とする。地階に設置された公設市場の利用状況及び、再開発ビル内上階の商業施設(スーパーマーケット)や、再開発ビル周辺に自然発生的に広がった伝統市場における地域住民の利用方法や頻度、空間利用の特徴等を調査する。
 本研究の社会経的意義として、ヤンゴン市内の行政単位であるタウンシップレベルにおける公設市場の役割を再考し、既存の再開発事業手法や市場周辺の土地利用計画の新たな提案に寄与する側面があると考える。