スタッフ紹介 / 連携教員
深川 由起子

- 部門・職位
- グローバル生存基盤研究部門
連携教授 - 専門
- 東アジア経済論、経済開発論、韓国経済論
- 研究分野/キーワード
- 「外向き工業化」理論再考、日韓産業協力
- 連絡先
- fukagawa@waseda.jp
深川 由起子
研究概要
日韓のグローバルサプライチェーン参加と産業協力
韓国の「外向き工業化」「キャッチアップ工業化」は日本の産業構造転換と密接な関係を持ちながら達成されてきたため、世界市場における競合が強調されてきた。しかしながら21世紀に入ってグローバル化が進展すると、モジュール化などにより国際分業体系は大きく変化し、むしろ半導体など先端工業製品においては補完が目立つようになった。とりわけ、近年の日韓のサプライチェーンをめぐっては2つの変化を通じて共通の利害が増している。
一つはコロナの拡散や地政学リスクの顕在化などにより、サプライチェーンの効率のみならず、安定性が重視され、経済安全保障を理由とした様々な通商政策が浮上したことである。対外依存度の高い日韓産業は米国市場を含めてその影響を大きく受けることとなった。
もう一つはAIなど技術体系が大きく変化し、製造業においてもデータとその一義的源泉となり、イノベーションの場や人材を提供する国内市場が大きな意味を持つようになったことである。日韓は米中のような国内市場を持たず、また人口動態面でイノベーション人材の量・質に大きな制約を抱える。今回の研究はこうした二つの変化が日韓のサプライチェーンそれぞれにどう影響しつつあるのかを分析し、産業協力の在り方を論じるものである。
一つはコロナの拡散や地政学リスクの顕在化などにより、サプライチェーンの効率のみならず、安定性が重視され、経済安全保障を理由とした様々な通商政策が浮上したことである。対外依存度の高い日韓産業は米国市場を含めてその影響を大きく受けることとなった。
もう一つはAIなど技術体系が大きく変化し、製造業においてもデータとその一義的源泉となり、イノベーションの場や人材を提供する国内市場が大きな意味を持つようになったことである。日韓は米中のような国内市場を持たず、また人口動態面でイノベーション人材の量・質に大きな制約を抱える。今回の研究はこうした二つの変化が日韓のサプライチェーンそれぞれにどう影響しつつあるのかを分析し、産業協力の在り方を論じるものである。