環境共生研究部門・機関研究員
博士（地域研究、京都大学）
専門は国境を越えた農業投資、持続可能な農村開発、ベトナム地域研究
私の研究は農業のグローバル化がベトナム山岳地域における農村の変化に与える影響に焦点を当てています。このグローバル化の時代には、農産物サプライチェーンは国境を越えた再編の途上にあり、農業投資や参加者、地域間の相互依存関係の多様化をもたらしています。つまり、このダイナミックな状況は歴史的、社会経済的、政治的に形成された越境的な農業ビジネスの投資国と受益国の間の相互作用を促し、国際的な商品チェーンを絶えず再編し、関与する各グループに様々な影響を及ぼしています。
私は特に農産物食品分野における越境的な中小企業の動きと、投資を受け入れる受益国としての開発途上国との関係に関心があります。二国間または多国間の視点から、さまざまな利害関係者間の相互作用を検討し、産業の変化や国際的な投資活動を詳しく調査しています。また、これらの投資を受益する社会や国にもたらされる影響についても調査しています。
最近では、研究の範囲を企業の社会的責任（CSR）、地域のエンパワーメント、グローバルな農薬ガバナンス、そして環境の持続可能性へと広げています。中小企業による国際的な農業投資活動は相互に有益で持続可能な農村開発を促進することを目指していて、私はその多様性と可能性を探求しようとしています。
CSEASは、温かく、積極的なサポートと限りない包容力のある学術的な安息の地を提供してくれています。また、理論的にも実践的にも地域研究と強いつながりを持つ優れた研究機関として際立っています。世界中から集まった多様な研究者たちがそれぞれに魅力的な研究に取り組んでいること、充実した図書や豊富な映像資料など広範な資料を提供していること、そして頻繁な国際会議が常に新たなインスピレーションの源となっています。そして、こうした環境は新たな研究分野とトピックの可能性にも気づかせてくれました。私もいつか、他の研究者の研究に刺激を与え、導くことができるようになりたいです。
学際的な地理学者として、グローバル農業研究、持続可能な農村開発、および国際的な農業経済に関する研究をすすめています。中山大学で文学学士号を取得し副専攻で観光計画管理を学んだ後、国立台湾大学の地理学研究科で理学修士号を取得。さらに、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科で地域研究の博士号を取得し、2022年に機関研究員としてCSEASに着任しました
