監督: マイ・フエン・チー(チー・マイ)
ベトナム人のライター/映画作家。フリーのコピーライター兼ジャーナリストを10年間務め、2015年にロンドン・フィルム・スクールでシナリオ制作の修士号を取得。卒業後は脚本家として働き、『A Brixton Tale』(2021年イギリス、スラムダンス映画祭最優秀長編作品賞ノミネート作品)、『My Mr. Wife』(2018年ゴールデンカイト賞最優秀作品賞)、『The Girl from Daklak』(2021年)の3本の長編映画の脚本に携わってきた。
監督としてのデビュー作となった短編ドキュメンタリー『Down The Stream』はVimeoの2015年ベスト・オブ・ザ・イヤー賞の最終選考作品になった。現在は長編フィクションの監督デビュー作となる『The River Knows Our Names』の制作に取り組んでいる。同作品はメコン川沿いのカンボジア・ベトナム国境付近の無国籍地域での暮らしを映画化したものである。この企画は香港アジア映画投資フォーラムでウディネ・フォーカス・アジア賞を受賞し、ウディネ・ファーイースト映画祭、ロカルノ映画祭、バンコクASEAN映画祭、シンガポール国際映画祭などで共同制作マーケット、コンペ、ワークショップ、ラボに参加した。2023年の完成を目指して制作中。
チー監督は、自身のプロジェクト以外にもベトナム内外の様々な分野のアーティストとの定期的なコラボレーションにより、ダンス映像、映像インスタレーション、即興ドローイング、パフォーマンス/映像インスタレーションなどの制作を行っている。自身のプロジェクトでは、アイデンティティーと親密性、意味の創造と派生、主流ナラティブの疑問視などのテーマに取り組んでいる。このテーマの作品は、アラベスク・オープンステージ(2020年)、CABCON 2020 (2020年)、ヘリテージ・スペース(2020年、2021年)などのグループ展や展覧会で展示された。