地域研究叢書(和文)

〈地域間研究〉の試み(下)世界の中で地域をとらえる

地域研究叢書 8
高谷好一 編著
京都大学学術出版会、1999年8月
352頁、ISBN: 978-4-8769-8080-2

対象地域そのものだけに焦点を絞ってきた旧来の地域研究の枠を超え、地域を地球全体の座標の上に置き他と比較することで、それぞれの地域の外郭と実質を明らかにする。下巻では中国、ヨーロッパという「強い地域」と東南アジアの比較を扱う。併せて地域研究の今後の課題も示す。文部省重点領域研究の成果を公開した、地域研究者必読の書。

目次

下巻の〈はじめに〉
下巻各章の概要
第四章「東南アジアと中国」
第五章「東南アジアとヨーロッパ」
第六章「地域間研究を求めて」

第四章 東南アジアと中国

報告1 華僑史からみた東南アジア(斯波義信)
一 華僑史の時代区分
二 東南アジアにおける華僑の諸相
三 華僑とネットワーク
四 華僑観の変容──「華南」からの視点
コメント1 華ー非華の構図を超えて(立本成文)

討論1 「華僑のアイデンティティ」の多様性と変容

報告2 結合のイデオロギーとしての「輩分」(上田 信)
コメント2 「伝統の生成システム」の欠如──固定化しない東南アジア(阿部健一)

報告3 朝鮮における「固定化」のシステム(宮嶌博史)
コメント3 結合エネルギーの制度化/非制度化(松原正毅)

討論2 〈強い結合〉〈弱い結合〉──組織原理の違いから地域を見る

総合討論 《集団の社会》と《ネットワーキングの社会》

第五章 東南アジアとヨーロッパ

報告1 ヨーロッパを作った東洋のインパクト(川勝平太)
一 生態学的観点から歴史変化は見えるか
二 地域を文化・物産複合からみる
三 ヨーロッパを作った東南アジア

報告2 都市空間から見た地中海世界と東南アジア(陣内秀信)
一 多様性の世界としての地中海瑚
二 地中海世界のコスモロジー
三 コロニアルスタイルの形成

討論1 ヨーロッパと東洋を結ぶ海

報告3 男の美学──東南アジアのコスモロジーとヨーロッパ(高谷好一)

総合討論 《関連性・発展の論理》と《固有性の論理》

第六章 地域間研究を求めて──地域研究の精神とは(高谷好一)

はじめに
一 「南進」とその背景
二 地域研究の展開

討論 地域研究はどこへ向かうのか

あとがき