町北 朋洋 | 京都大学 東南アジア地域研究研究所

町北 朋洋

町北 朋洋
部門・職位
グローバル生存基盤研究部門
准教授
専門
労働経済学、産業発展論
研究分野/キーワード
・ 企業間のマッチング、国際生産網形成と技術移転
・途上国・新興国の交通事故
・移民・外国人労働
・職業・企業訓練と労働市場
連絡先
machi@cseas.kyoto-u.ac.jp

町北 朋洋

経済発展への理解を深めるため、東アジア・東南アジアにおける近年の産業発展の原因と帰結を研究している。特に、労働経済学を中心に、都市・地域・国際経済学、産業組織論、開発経済学の方法論を取り入れた分野横断的なアプローチを用いている。それは、大きく分けて以下の三つに分類できる。

第一に、東南アジアでの産業・企業の技術移転に関する研究である。国際生産網の一部を構成する東南アジアに立地する製造業企業の企業間取引についてのネットワークデータを長期間にわたって作成し、新製品開発や改善型技術革新、技術・経営能力向上、企業間技術移転がどのような論理に従うか、その構造を研究している。

第二に、日本における外国人労働力を中心とした労働市場の研究である。外国人労働力の導入は産業高度化を遅らせる要因となった一方で、労働集約的産業や生産網の海外流出を抑える効果をもつというトレードオフがあることを明らかにしてきた。『日本の外国人労働力-経済学からの検証』(共著)で、2009年に第52回日経・経済図書文化賞を受賞した。また、経済のグローバル化の進行が非正規雇用の進行にどの程度の影響をもつか、失業保険制度の変化が失業期間や再就職にどういった影響をもつかも研究している。

最後に、20世紀初頭の日本を対象とした企業成長についての研究、そして現在のエチオピアを対象とした職業訓練についてのサーチ理論的研究も進めてきた。最近では、都市化とモータリゼーションが急速に進む地域における社会的課題を考察するため、タイにおけるトラック運送業の交通事故に注目し、契約理論的な観点から生産性と安全性のトレードオフを改善する雇用契約のあり方、経営慣行について研究を始めた。
一橋大学経済研究所にて2004年4月から2006年3月まで研究に従事。その後、アジア経済研究所の新領域研究センターと開発研究センターにて、2006年4月から2019年5月まで研究と開発スクールでの教育に従事。途中、2012年5月から2014年5月までデンマークのコペンハーゲン・ビジネススクールと米国のスタンフォード大学に研究滞在。2019年6月より現職。