民主化に向かう世界の潮流に逆行するビルマの軍事政権。これまでその実態は闇に閉ざされてきた。なぜ軍事政権が生まれ、どのような発展を遂げ、そしてなぜ、かくも長く政権を持続しえるのか。兵営国家の視角から政軍関係を分析し、軍政ビルマの実像に迫る。
目次
はしがき
目次/表目次/図目次
凡例
序章 ビルマにおける長期軍政とネー・ウィン体制
1 落胆する司令官
2 ビルマ政治の隘路
3 ビルマ研究による5つの説明
4 政軍関係論の知見
5 視角と構成
第1章 帝国の辺境─近代ビルマにおける国民国家建設と暴力機構
1 はじめに
2 イギリス植民地時代
3 日本軍政期から独立へ
4 結び
第2章 ビルマ式社会主義の履歴─国家イデオロギーの形成と軍内政治
1 はじめに
2 チッ・フライン
3 1950年代の国軍改革と参謀本部穏健派
4 反共宣伝工作
5 国防省参謀本部穏健派の周辺化
6 「人と環境の相互作用の原理」の誕生
7 結び
第3章 未完の党国家─ネー・ウィンとビルマ社会主義計画党
1 はじめに
2 独裁と軍政
3 党国家への転換と挫折
4 結び
第4章 官僚制を破壊せよ─行政機構改革と国軍将校の転出
1 はじめに
2 近代国家の移植と独立後の行政機構
3 新行政体制建設
4 人民評議会幹部と副大臣の経歴
5 結び
第5章 「勝者総取り」の政治風土─政治エリートのプロフィール分析
1 はじめに
2 誰が政治エリートか
3 社会的プロフィール
4 断絶と連続
5 文民党幹部の限界
6 結び
第6章 兵営国家の政軍関係─ネー・ウィンによる国軍の掌握とその限界
1 はじめに
2 クーデタと国軍
3 国軍から党軍へ
4 国軍人事の安定化
5 側近の配置と分断人事
6 結び
終章 結論─ネー・ウィン体制の崩壊と新しい軍事政権の誕生
1 はじめに
2 ネー・ウィンの「革命」とは何だったのか
3 体制崩壊
4 1988年の「父殺し」
5 片隅の死亡記事
あとがき
参考文献
索引
