ミャンマー現代史 | 京都大学 東南アジア地域研究研究所

ミャンマー現代史

中西嘉宏 著
岩波新書、2022年8月
312頁 ISBN: 978-4-0043-1939-9

著者からの紹介

2021年の初頭に報道などでさかんに取り上げられ、そのあとすっかり忘れられたのがミャンマーの政情です。軍によるクーデターと市民に対する激しい弾圧があって、国は混乱に陥りました。で、なんであんなことが起きて、いまミャンマーってどうなってるの? そんな疑問に答えるべく、アウンサンスーチーが民主化運動の指導者となった1988年以来の政治、経済、外交を振り返って、この国の複雑さと現在の政治危機を考察したのが本書です。少し退屈なタイトルですが、中身は教科書的にならないように工夫して書きました。ぜひご一読を。


目次

はじめに

序章 ミャンマーをどう考えるか
 1 クーデターの衝撃
 2 歴史的背景

第1章 民主化運動の挑戦(一九八八―二〇一一)
 1 一九八八年
 2 クーデターから選挙へ
 3 弾圧のなかの抵抗

第2章 軍事政権の強権と停滞(一九八八―二〇一一)
 1 軍の支配原理
 2 軍事政権の展開
 3 軍事政権下の経済

第3章 独裁の終わり、予期せぬ改革(二〇一一―一六)
 1 軍が変えた政治
 2 制度が変わり、行動も変わる
 3 自由化と政治和解
 4 紛争への新しいアプローチ
 5 経済開発

第4章 だましだましの民主主義(二〇一六―二一)
 1 政権交代の現実
 2 ボスとカリスマの攻防
 3 困難になる共存

第5章 クーデターから混迷へ(二〇二一―)
 1 クーデター勃発
 2 政争から危機へ
 3 ポスト・スーチー時代の到来

第6章 ミャンマー危機の国際政治(一九八八―二〇二一)
 1 ミャンマー軍と外交
 2 民政移管後の外交「正常化」
 3 手をこまねく国際社会
 4 日本とミャンマー

終 章 忘れられた紛争国になるのか
 1 この国の行方
 2 この国の困難
 3 日本はどうすべきか

 あとがき

 主要参考文献
 ミャンマー現代史関連略年表


著者情報

中西嘉宏

関連情報

中西嘉宏 准教授の著作『ミャンマー現代史』を紹介する記事が『京都新聞』に掲載されました(2022.11.18)