小林 知 | 京都大学 東南アジア地域研究研究所

小林 知

小林 知
部門・職位
相関地域研究部門
教授
専門
地域研究、人類学
研究分野/キーワード
・「行い」からみた東南アジアにおける信仰の場のトポロジー
・ポスト紛争社会における公共圏の創出
・生業・生活のレジリアンスにおける多様性の役割
連絡先
kobasa@cseas.kyoto-u.ac.jp

小林 知

「行い」からみた東南アジアにおける信仰の場のトポロジー

外来の世界宗教である仏教と、東南アジアの基層の精霊信仰・アニミズムといった宗教研究者の側が分析的に提示する類型ではなく、人々がその場所でおこなう「行い」に着目して、宗教信仰の場所のトポロジー(位相)を明らかにする。それにより、環境と文化、外文明との交流からなる東南アジア地域の文化的な重層性を包括的に描く方法を考案する。

ポスト紛争社会における公共圏の創出

社会の構成員が、自分の身内や、眼前の利益のみではなく、見知らぬ他者を含む公の、そして次世代に引き継ぐべき価値をどのように考え、行動するのかという問題を、主に紛争後のカンボジアの事例において考察する。それにより、民主主義や公共性といった普遍的概念をローカルな文脈で捉えなおすことで、望ましい地域と人々の生活の将来像を具体的に検討する。さらに、ミャンマーや東ティモールなど他国の状況との比較を通じて、移行期正義といった問題群にも架橋する。

生業・生活のレジリアンスにおける多様性の役割

多様性という要素が人間生活において果たす意義を問い直す。具体的には、農村地域に居住する人々の生業、文化伝統、宗教実践などの生活の総体を対象として、そこで伝統的にみられた多様性がどのような変化を近年遂げているのかを調査・分析する。近代化・グローバル化といわれる社会変化の具体相を実証的な経験的調査にもとづいて解明するだけでなく、変わりゆく社会の中での伝統的な文化・価値の将来像を哲学・思想的な側面を含めて考える。