光成 歩

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雑誌記事データベースを活用したムスリム女性の社会的地位の研究

光成 歩

雑誌記事データベースを活用したムスリム女性の社会的地位の研究

本研究は、月刊誌『カラム』のデータベースを利用し、20世紀半ばのマレー・ムスリム女性の社会的地位の実態を明らかにするものである。マレーシア・シンガポールの独立準備期・建国期にあたる同時期に関しては、国家建設に結びつく政治過程の研究が豊富である一方、女性史研究の関心は政治的独立後に集中しており、この時期のムスリム女性が直面していた課題とこれに対するムスリム社会の対応についてのまとまった研究はほとんど行われていない。しかし、20世紀半ばは、結婚、教育、就業などで女性の社会進出が広がり、女性の社会的地位に関して活発な議論が行われた時期として重要である。本研究は、1950年7月から1969年10月の20年間をカバーする『カラム』データベースを用いて同時期の女性の地位に関する議論の変遷を分析し、上述した既存研究の問題点を克服するものである。