使用言語: 英語(質疑応答では日本語も併用します)
発表者: 土屋喜生(京都大学東南アジア地域研究研究所)
討論者: 福武慎太郎(上智大学総合グローバル学部)
司会: 久納源太(京都大学東南アジア地域研究研究所)
要旨: 土屋喜生著Emplacing East Timor: Regime Change and Knowledge Production, 1860-2010(エンプレイシング・イースト・ティモール:政権交代と知識生産、1860年代から2010年代まで)は、近現代東ティモールに関する知識生産と暴力による政権交代の相互関係の歴史を研究した作品です。東ティモール、ポルトガル、日本、インドネシア、オーストラリア等、複数の国々に貯蔵された文書の比較研究を通し、著者は我々が持つ「東ティモールとその人々に関する知識」の形成に強く関与してきた歴史的事件、重要人物、政策、そして各国内外の東ティモールに関する論争を調査してきました。今回のブックトークでは、著者の問題意識、問い、アジェンダや発見を明らかにしつつ、東ティモール国連統合ミッションでの実務やシンガポールやフィリピンにおけるアジア研究の影響等、本書のメイキングについても語る予定です。
略歴: 土屋喜生氏は京都大学東南アジア地域研究所助教。2009–2010年に国際連合東ティモール選挙支援チーム(UNEST)で選挙支援に従事した後、ティモール島の歴史研究を行う。「ポルトガル領ティモールにおける19世紀後半から20世紀初頭の宣教テキストのテトゥン語訳─西洋中心主義的「誤訳」とその社会的・学問的影響」で米国アジア研究協会から2017年パタナ・キティアルサ賞、“Representing Timor: Histories, Geobodies, and Belonging, 1860s-2018” で米国アジア研究協会インドネシア及び東ティモール研究委員会より最優秀若手論文賞を受賞。