講演会「映画を通して見るシンガポール社会」(5月16日) | 京都大学 東南アジア地域研究研究所

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講演会「映画を通して見るシンガポール社会」(5月16日)

立教大学の盛田茂さんに、シンガポールの映画に関してお話ししていただきます。
どなたでも自由に参加できます。事前申し込みは必要ありません。
下記の情報をご参考の上、ぜひお気軽にご参加ください。

日時:2017年5月16日(火)16:30〜18:30
会場:京都大学東南アジア地域研究研究所 稲盛財団記念館201号室(東南亭)
講演者:盛田茂(立教大学アジア地域研究所特任研究員)
発表題目:映画を通して見るシンガポール社会

発表内容要旨
シンガポールの映画産業は、ショウ・ブラザース、キャセイ・クリス社のスタジオ閉鎖後、1970年代はインディーズによる長編映画製作が10本以下、1980年代には皆無と、長期にわたる停滞期を経験した。その後、1995年の1本から、2016年にはシンガポール映画委員会の公表数字だけでも長編映画が17本(劇場非公開作品4本を含む)と、僅か20年間で目覚ましい発展を遂げている。

映画は監督の問題意識を反映し、観客と感情を共有できる大衆芸術だと言われる。一方で人民行動党(PAP)政権は、映画を創造産業の重要な構成要素とし、バイオ・ナノテクと並ぶ次世代産業の有力候補と位置づけている。

本発表は、映画関係者対検閲当局とのニ項対立思考に立脚せず、同政権と映画製作者間の躍動感に富む「現実主義的相互依存/対立関係」(交渉のダイナミズム)が展開しているとの視点に基づき、映画のダイジェスト版を観ながら、同国の社会的背景を考察することを目的とする。

なお、多民族・多言語・多宗教国家に相応しく社会的背景が多岐にわたることから、以下の3点に焦点を合わせ発表することとする。

1、 言語政策、LGBT問題

2、 封印された歴史の再評価

3、 ニューウェーブの潮流(製作資金調達の多様化と海外との共同製作の活発化、公的助成、華人系以外の監督の登場)

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