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国際ワークショップ「アジアにおける農業と農村開発」

日時: 2018年2月20日-22日
場所: カンボジア・プノンペン

主催:東南アジア地域研究研究所、カンボジア王立農業大学

プログラム

活動報告
 2018年2月20〜22日、カンボジアの首都プノンペンで国際ワークショップ「アジアにおける農業と農村開発の望ましい将来の探求」を実施しました。東南アジア地域研究研究所は、2010年12月に首都プノンペンの王立農業大学と学術交流協定を結び、科学研究費補助金などを利用して共同調査を実施してきました。研究拠点のひとつであるカンボジア・フィールドステーションも、同大学に設置しています。本ワークショップは、本研究所と王立農業大学のあいだのこのような連携を支えとして、日本とカンボジアだけでなく、バングラデシュ、ミャンマー、ブータンからも参加者を招き、各国の農業が直面する問題、農村開発の実践における課題、農業・農村開発を大学で教える際の特徴的な取り組みなどについて意見交換することを目的としました。
 初日は、王立農業大学のNgo Bunthan学長の挨拶の後、本研究所の河野泰之所長と王立農業大学のMen Sarom教授がキーノートスピーチを行いました。その後、「農業科学と農村開発を通して大学が社会に果たす役割」「農業技術とマネジメントの創出と適用」「グローバル化の時代の農村コミュニティにおける生業変容」の3つのセッションで11名が報告を行いました。二日目は、「農村開発と自然資源のリアリティの再検討」「農村開発における新しい参加型アプローチ」の2つのセッションで9名が報告したあと、参加者全員で「農業科学と農村開発における研究・教育への組織的な取り組み」に関する総合ディスカッションを行いました。そこでは、教育・研究・社会連携の三つの柱を有機的に組み合わせること、フィールド活動が教育において果たす役割、研究者が研究対象とする地域や人々と主体的な関わりをもつことの重要性などが確認され、今後も研究教育における国際連携を継続することで意見が一致しました。
 翌日の2月23日は、王立農業大学のHor Sanara博士の案内のもと、プノンペンから片道バスで3時間ほどのトボーンクモム州のメコン川の中州にあるタバコとカポックの栽培に特化した畑作村と、王立農業大学が管理する土壌保全の試験場を見学しました。
 本ワークショップは、平成29〜30年度京都大学全学経費「伝統農業大国との実践課題設定による京大型地域研究の展開のための学術交流促進事業」、「日ASEAN科学技術イノベーション共同研究拠点ー持続可能開発研究の推進(JASTIP)」、「日ASEAN協働による超学際生存基盤研究の推進」、共同利用・共同研究「東南アジア研究の国際共同研究拠点」、科学研究費補助金「アジアの在地の共同によるグローバル問題群に挑戦する実践型地域研究」(基盤研究A、H27-30、代表:安藤和雄)、科学研究費補助金「変容するコネクティビティと生業からみたカンボジア農村社会の生存基盤に関する研究」(基盤研究B、H27-29、代表:小林知)の成果の一環として実施されました。

 

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