〈わすれな月2022〉では、マレーシア映画の母ヤスミン・アフマド監督の作品世界を支えてきた2人の名優、アディバ・ノールとジット・ムラドを偲び、関連する作品の上映ならびにディスカッションを行います。また、上映会にあわせてオンラインによる解説動画の配信を期間限定で行います。
※作品鑑賞・ディスカッションは会場でのみ行い、オンライン配信はありません。事前登録により参加人数を制限して行います。参加方法は下記をご覧ください。
■アディバ・ノールの「ヤム三部作」の上映
『細い目』『グブラ』『ムクシン』のオーキッド三部作では、主人公のオーキッドを見守り支えるヤム役を演じ、『タレンタイム』ではアディバ先生役を演じたアディバ・ノールが2022年6月、亡くなりました。〈わすれな月2022〉では、『細い目』『グブラ』『ムクシン』を「ヤム三部作」と呼んで、この3つの作品の鑑賞とディスカッションを通じて、アディバ・ノールを偲び、ヤスミン作品とマレーシアについて考えます。
■ジット・ムラドの天使姿
『タレンタイム』で車椅子に乗った謎の男を演じたジット・ムラドは、ヤスミン亡き後のマレーシア映画の担い手の1人として期待されていた名優・脚本家です。2022年6月、ジット・ムラドの脚本による舞台演劇を映画化した『Spilt Gravy』(ザヒム・アルバクリ監督)がマレーシアで劇場公開されました。『タレンタイム』とほぼ同じ頃に撮影して編集まで済んでいましたが、ジットが天使役を演じていたことなどからマレーシア国内で上映許可が下りず、制作者と検閲局の交渉の末、11年の時を経ての新作公開となったものです。ジットも天使役で出演しています。オンライン解説動画では、「ヤム三部作」『タレンタイム』とあわせて、『Spilt Gravy』について解説し、ヤスミン作品の裏側の世界について考えます。
作品上映・ディスカッション
「ヤム三部作」の上映ならびにヤスミン作品とマレーシア映画についてのディスカッションを行います。
・日時:2022年7月24日(日)10:00~18:30
・会場:京都大学稲盛財団記念館(京都市左京区吉田下阿達町)
・プログラム:
10:00 開会挨拶
10:15 『細い目』 上映・作品解説
12:20 休憩
13:00 『グブラ』 上映・作品解説
15:30 『ムクシン』 上映・作品解説
17:30 ヤスミン作品とマレーシア映画を語る(山本博之)
18:30 閉会
※上映作品はいずれもDVD画質による上映です。
※作品鑑賞・ディスカッションは会場でのみ行い、オンライン配信はありません。
参加申し込み
会場での上映・ディスカッションへの参加を希望する方は参加申し込みより申し込んでください。2022年6月30日の午後5時頃にメールで入場整理券をお送りします。
※申し込みが多数の場合、6月30日の正午までに申し込みいただいた方の中から抽選を行います。抽選に漏れた方には6月30日にメールでお知らせします。6月30日以降は定員に達するまで先着順に参加申し込みを受け付けます。
解説動画のオンライン配信
会場での作品鑑賞・ディスカッションにさきだち、『マレーシア映画の母 ヤスミン・アフマドの世界』編著者による解説動画をオンライン配信します。ヤスミン作品の「母の物語」に対して「父の物語」が語られる『Spilt Gravy』について紹介しながら、ヤスミン作品の裏側の世界について考えます。
・日時:2022年7月23日(土)から1週間
・解説者:山本博之(京都大学東南アジア地域研究研究所/混成アジア映画研究会)
・対象作品:『細い目』、『グブラ』、『ムクシン』、『タレンタイム』
(以上4作品はヤスミン・アフマド監督作品)
『Spilt Gravy』(ザヒム・アルバクリ監督作品)
・動画へのアクセス・対象作品の詳細:
http://yama.cseas.kyoto-u.ac.jp//film/event/20220724yasmin.html(Vimeoを使うため、接続する国・地域によっては視聴できない場合があります。)
詳細情報:http://yama.cseas.kyoto-u.ac.jp//film/event/20220724yasmin.html
主催:混成アジア映画研究会
協力:京都大学東南アジア地域研究研究所
科研費プロジェクト「東南アジア映画の物語と表現を読み解く」
問合せ:malaysianfilm(@)cseas.kyoto-u.ac.jp