京都国際映画祭2022連携企画【Visual Documentary Project 2021-死と生と-】上映会 | 京都大学 東南アジア地域研究研究所

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京都国際映画祭2022連携企画【Visual Documentary Project 2021-死と生と-】上映会

2022年度京都国際映画祭の開催にあわせ、「死と生と」をテーマに公募を行った2021年度Visual Documentary Projectの入選作品5作品を、京都大学での会場上映と京都国際映画祭限定オンライン配信のハイブリッド形式で紹介します。これらのドキュメンタリーは、地域を越えて死と生が表す一連の過程や経験や意味を私たちに深く考えさせる作品となっています。

会場上映:
日時: 10月15日(土)13:00 〜 15:30
場所: 京都大学 東南アジア地域研究研究所 旧京都賞ライブラリー
京都市左京区吉田下阿達町46 京都大学稲盛財団記念館1F
※川端通りからエントランスホールに入ってすぐ右側

料金: 参加費無料/事前申込不要

スケジュール:

12:50    開場
13:00- VDPについて (東南アジア地域研究研究所 マリオ・ロペズ准教授)
13:05- 作品1上映『ドラム・レボリューション』(サイチョーカイン監督、ミャンマー、25分)
13:35- 作品2上映『心の破片』(ナン・キンサンウィン監督、ミャンマー、12分)
13:55- 作品3上映『8月の手紙』(マイ・フエン・チー監督、スアン・ハー監督、ベトナム、26分)
14:25- 作品4上映『リエンさんの造船所』(グエン・トゥ・フオン監督、ベトナム、30分)
15:00- 作品5上映『黄昏』(リリー・フー監督、マレーシア、22分)
15:30   終了

※ 上映されるドキュメンタリー映像には全て、英語と日本語の字幕がついています。
※ 各作品上映の後に5分程度の解説時間を設けています。

オンライン上映:
配信日時: 2022年10月10日(月)10:00〜 16日(日)23:59
視聴方法: 京都国際映画祭ホームページにて限定公開しています。
視聴にはFANY ID(よしもとID)へのご登録が必要です。
ログイン後、「online」表示のある作品には再生ボタンが表示されます。

京都国際映画祭ホームページ https://kiff.kyoto.jp/film/
FANY ID会員登録画面 https://id.yoshimoto.co.jp

料金: 無料

Visual Documentary Project 2021入選作品の紹介

1. 『ドラム・レボリューション』(Strike with the Beat)
サイチョーカイン監督、ミャンマー、2021年、25分

『ドラム・レボリューション』は、ミャンマーの政権を掌握した国軍がクーデター後に行った冷酷な殺人を証言している。このドキュメンタリーは、市民社会が立ち上がって抗議した経緯をありのままに語り、団結して軍政に公然と抗議した「ドラム・レボリューション」という団体に焦点を当てる。2021年3月初めにヤンゴンとミャンマー全土を襲った混乱を現地から批判的に振り返る。

2. 『心の破片』(Broken)
ナン・キンサンウィン監督、ミャンマー、2021年、12分

ミャンマー東部のカヤー州の紛争地域では、女性や少女たちの生活は安全から程遠い状態にある。見る者を引き込むこの短編ドキュメンタリーはキンサンウィンの初監督作品である。監督は自分自身および自分と同じ村の出身の女性のトラウマを取り上げ、ミャンマー社会で女性に対する暴力を覆い隠す沈黙を破ろうとしている。

3. 『8月の手紙』(August Letters)
マイ・フエン・チー監督、スアン・ハー監督、ベトナム、2021年、26分

VDP作品募集の知らせがもたらされたのは、ある映画作家が彼女の父親の命日を追悼するとともに甥の誕生日を祝っていた8月のことだった。彼女は別の映画作家に声をかけ、コロナが引き起こしたロックダウンという状況のもと、2人の共通言語である映像を使って「死と生」のテーマに思いを巡らせた。このドキュメンタリーは、2人の監督やその家族の私的な物語を織り混ぜながら、生と死の意味を静かに思い、今日のベトナムの現代的な生き方や家族の関係を映し出している。

4. 『リエンさんの造船所』(Madame Lien’s Factory)
グエン・トゥー・フオン監督、ベトナム、2021年、30分

リエンは一家の三代目当主にあたり、彼女が受け継いだ造船所では伝統的な木造船が作られている。メコン川沿いで100年近く続いているこの造船所は、激動の時代を幾たびも経験してきた。今日、メコン川沿いでは持続可能な発展が目指されるようになったが、それと同時に、都市が近代化するにつれて伝統的な価値観が失われつつある。このドキュメンタリーの焦点は、リエンと、造船所の存続をかけた彼女の努力にある。リエンはかつて自分が造船所を守るためにいかに奮闘したかを思い出す。映画は、回想によって彼女の人生に意義が与えられる様子を細やかに描く。労働者への思いやりを持った一人の人間、彼女と労働者の人間関係、そして彼女を信頼して生涯ついて来た労働者の様子が心に迫る。

5. 『黄昏』(The Twilight Years)
リリー・フー監督、マレーシア、2020年、22分

『黄昏』は、高齢者が疎外される現代マレーシア社会での伝統的な家族の価値観の崩壊を見つめたドキュメンタリーである。いずれ誰もが高齢になるが、2030年にマレーシアの65歳以上人口は15パーセントに達することが見込まれている。私たちがこの映画で見ることは、さほど遠くない未来の私たちの運命だろうか。本作では、馴染み深い快適な家庭や自分が育てた子供たちから引き離され、老人介護施設で自活を余儀なくされる急増する高齢者たちを丹念に追う。プチョン地区にある介護施設で見ず知らずの人々に囲まれて徐々に年老いてゆくのは、かつて父母や祖父母だった人々だ。この作品は彼らの物語を克明に描き、虐待・搾取やネグレクトの痛々しい物語を伝える。


◆プロジェクトについて

Visual Documentary Project(VDP)は、映像を通して東南アジア地域の現状を捉え、多角的な議論を深める場を提供すること、また、東南アジアに関する従来の学術研究の蓄積・成果を補完し、日本および東南アジアの若手フィルムメーカーと地域研究者の架け橋になることを目的として、2012年度に開始した事業です。毎年異なるテーマを設けて短編ドキュメンタリー作品を募集し、東南アジアの監督たちが独創的な手法でそれに応じることで、多様で絶えず変化している東南アジアの理解を深めることが可能になっています。
2014年度から国際交流基金アジアセンターと共催し、近年は京都国際映画祭(KIFF)やカンボジア国際映画祭・ボパナ視聴覚リソースセンター(Bophana Center)、フィラデルフィアアジア国際映画祭(PAFF)などとの連携で、国内外でのプレセンスを高めています。

お問い合わせ:
京都大学東南アジア地域研究研究所 VDP事務局
担当:石神
Tel :075-753-9620  
E-mail:vdp[at]cseas.kyoto-u.ac.jp