アジア経済発展論研究会セミナー(AEDS) | 京都大学 東南アジア地域研究研究所

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アジア経済発展論研究会セミナー(AEDS)

言語:日本語
報告者:阪本拓人(東京大学大学院総合文化研究科)
題目:大規模テキスト分析をいかに生かすか:国際関係・紛争研究への適用を中心に

要旨:国際関係論・比較政治学・政策分析等への適用を念頭に、定量的な大規模テキスト分析の手法を概観し、発表者の研究を題材にしてその可能性を議論する。まず自然言語処理や機械学習の急速な発展に駆動された大規模テキスト分析の近年の動向について、上記分野を中心とする社会科学領域への応用を含めて簡単にレビューする。こうした手法が可能にすることの一つとして、規範・観念・了解といった従来数値化に馴染みにくかった側面を可測化しうる点が挙げられる。そこで、国際関係論・安全保障論の文脈でこのような可測化を試みる研究として、国連安全保障理事会の政策討議を記録した大量の議事録をデータ化し分析する発表者の研究を紹介したい。最後に、大規模テキスト分析に関する最新の話題として、テキストの解釈と生成に関する高度な性能を備えた大規模言語モデル(LLM)にも簡単に触れる。この手法を活用して、武力紛争・体制変動・社会運動といったイベントに関する粒度の高いデータの自動生成を目指す共同研究の構想も紹介したい。

キーワード:大規模テキスト分析、機械学習、安全保障、武力紛争、大規模言語モデル(LLM)、データ生成、研究ワークフローの自動化(ARW)

司会:高野久紀(京都大学大学院経済学研究科)