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『帝国日本のプロパガンダ「戦争熱」を煽った宣伝と報道』(貴志俊彦著、中公新書2703)が刊行されました

2022.06.20


出版年月 2022.6.25
出版社 中央公論新社
ISBN  978-4-12-102703-0
本体価格備考  924円(10%税込)
頁数 232
本文言語 日本語
内容紹介
日清戦争に始まり、アジア太平洋戦争の敗北で終わった帝国日本。日中開戦以降、戦いは泥沼化し、国力を総動員するため、政府・軍部・報道界は帝国の全面勝利をうたい、プロパガンダ(政治宣伝)を繰り広げた。宣伝戦はどのように先鋭化したか。なぜ国民は報道に熱狂し、戦争を支持し続けたのか。錦絵、風刺画、絵葉書、戦況写真、軍事映画など、戦争熱を喚起したビジュアル・メディアから、帝国日本のプロパガンダ史を描きだす。

https://www.chuko.co.jp/shinsho/2022/06/102703.html

【目次】

まえがき i
序 章 戦争と宣伝 3
帝国日本の空間イメージ  帝国日本の崩壊  プロパガンダ=宣伝の主体

第1章 日清戦争期 ――版画報道の流行(一八九〇年代)  13
1 戦争と同期する帝国日本のメディア、演劇 15
 「戦争錦絵」の登場  錦絵業者の歓喜  錦絵と新旧演劇との交差 
 「平壌の戦い」と清軍イメージ
2 石版画が伝える大清帝国の「戦勝」報道 28
 『点石斎画報』に見られる愛国主義  「戦勝報道」の根幹にあるもの
3 欧州メディアが伝える東アジアの戦争風景 31
 新聞の細密画  写実的な戦場イラスト  「戦争熱」の炎上と収束

第2章 日露戦争期 ――「戦勝神話」の流布(一九〇〇年代)  41
1 帝国日本に浸透する写真、絵葉書、活動写真 43
 広報外交とメディア・ナショナリズム  戦況写真の登場写真利用の多様化  
 絵葉書ブームの到来  活動写真=映画の登場
2 ロシア帝国で流行する民衆版画と写真術 54
 農村部に広まったルボーク  奉天会戦の悲劇  都市部に普及した絵葉書や画冊  
 「戦争熱」から「革命熱」へ

第3章 第一次世界大戦期 ――日独戦争をめぐる報道選択(一九一〇年代)  65
1 青島の戦いをめぐる報道 66
 戦争の発端  日独報道合戦  出版業界への波及  戦争画・戦争映画の人気
2 南洋群島の日独戦争 76
 西太平洋への帝国日本の進出  ドイツ人捕虜の視覚化  
 プロパガンダ史の画期点

第4章 中国、米国の反日運動 ――報道と政治の関係(一九二〇年代)  85
1 済南事件と日貨排斥をめぐる日中の報道 86
 国民革命軍と日本軍の衝突  戦況写真の空輸  戦況写真のリアリティ  
 映画ブームの到来  上海での反日運動の組織化
2 排日移民法をめぐる日米の報道 96
 米国の反日運動  「排米熱」の高まり

第5章 台湾霧社事件と満洲事変 ――新聞社と軍の接近(一九三〇年代前期)  103
1 霧社事件をめぐる報道と政争 104
 セデック族の集団蜂起  事件写真とニュース映画  虐殺の連鎖  
 霧社事件の政治化
2 満洲事変報道と戦況写真 112
 満洲事変の捉え方  『朝日』論説の大転換  満洲を伝えるビジュアル・メディア 
 満洲と台湾での戦況報道

第6章 日中戦争期 ――国家プロパガンダの絶頂期(一九三〇年代後期)  123
1 国産映画の流行 125
 写真宣伝  戦争のスペクタクル  映画とプロパガンダ  戦時下の博覧会ブーム
 軍事映画ブーム
2 複数の「満蒙問題」 140
 朝日所蔵の「富士倉庫資料」  三つの重大事件

第7章 アジア太平洋戦争期 ――ビジュアル報道の衰退(一九四〇年代前期)  153
1 国家総動員体制下の言論封殺 154
 新聞メディアの「死」  軍宣伝班と軍報道班  大本営発表の虚構  
 大東亜共栄圏構想の流布  台湾沖航空戦の「誤報」
2 国防のための台湾の「内地化」 163
 台湾軍司令部の検閲  特別志願兵制度  台湾での徴兵  南方戦線の報道

終 章 敗戦直後 ――占領統治のためのプロパガンダ(一九四〇年代後期)  173
1 多様な「終戦」像 174
 「終戦の日」の解釈  ひとつひとつの「終戦」
2 GHQ占領下の日本 180
 占領統治の開始  占領下の検閲と教育啓蒙活動
3 米軍占領下の沖縄 187
 米軍政のもとで  米軍のプロパガンダ工作

あとがき 195
参考文献 199
図版出典一覧 206