村上勇介 教授(ラテンアメリカ地域研究、政治学)が国内の若手研究者海外発信事業にホスト研究者として参加しました。紹介されたのはブラジルの経済社会を研究する河合沙織 龍谷大学准教授で、インタビューは2025年3月3日に本研究所にて実施、「Japan and Brazil: Prospects for Cooperation(日本とブラジル:さらなる協力に向けた展望)」と題する動画にまとめられ、3月31日に公開されました。村上教授は進行を担当したジョナサン・ソーブル 英フィナンシャル・タイムズ元東京支局長とともに河合准教授とその業績を紹介しました。
ブラジルは昨年のG20リオデジャネイロ・サミットや今年の第30回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP30)の開催国であり、3月にはコロナ禍後、初となる国賓としてルラ大統領が来日したこともあり、ラテンアメリカの地域大国かつグローバルサウスの雄として焦点が当てられています。前世紀終わりの新自由主義改革から今世紀初めの同路線によって生じた歪みの修正、そして2010年代の低成長と汚職や一般犯罪の蔓延に揺れる最近まで、過去30年のブラジルの経験の成果と課題に加え、ラテンアメリカで最大の日系人社会を抱えるブラジルと日本の関係のこれまでなどを河合准教授が紹介し、村上教授は21世紀の新たな国際秩序の構築に向けて、両国がパートナーとして協力することの重要性を指摘しました。
関連情報
河合沙織「第6章 ブラジルにおける経済発展と格差縮小の要因:マクロ経済の安定化と労働市場の変容から探る」浜口伸明編『ラテンアメリカ所得格差論:歴史的起源・グローバル化・社会政策』(アジア環太平洋研究叢書2、国際書院、2018年)、217–247頁。