現代ペルーの政治危機 | 京都大学 東南アジア地域研究研究所

アジア環太平洋研究叢書(和文)

現代ペルーの政治危機揺れる民主主義と構造問題

アジア環太平洋研究叢書7
村上勇介
国際書院、2024年2月
229頁、ISBN:978-4-87791-326-7

本書について

90年代のフジモリ政権期を経た21世紀のぺルー政治をその根幹である国家―社会関係、地方分権化という2つに焦点をあて分析し、今後のゆくえを展望する。(出版社書籍案内より)

国際書院の書籍案内ページにてまえがき、あとがきが公開されておりますので、ぜひご覧ください。

目次

序章 現代ペルー政治の今日的位相(村上勇介
 はじめに:独立200年の選挙、カスティジョ政権の混迷と自壊
 1 関心の所在と分析の焦点
 2 先行研究と本書の視角
 3 本書の構成と主な分析
 4 カスティジョ政権とその後

第1章 現代ペルーの政治社会構造:変化と不変(村上勇介
 はじめに
 1 最初の決定的契機とぺルー
 2 二つ目の決定的契機とぺルー
 おわりに

第2章 21世紀のぺルー政治:脆弱な政党、小党分裂化、アウトサイダーの再登場と混迷(村上勇介
 はじめに:アウトサイダーとしてのカスティジョ
 1 2021年選挙の結果
 2 小党分裂化の原因
 3 政党をめぐる別の解釈とその批判
 4 変わらなかったもの、変わったもの
 おわりに

第3章 新自由主義レジームと地方分権化の中での社会紛争の政治(岡田 勇)
 はじめに
 1 新自由主義レジームと地方分権化の中での社会紛争
 2 社会紛争の傾向
 3 制度的な対策による社会紛争抑制の可能性
 おわりに

第4章 中途半端な地方分権化(磯田沙織)
 はじめに
 1 なぜ地方分権化なのか
 2 ぺルーにおける中央政府と地方政府との関係
 3 2000年以前の地方分権化に向けた制度構築
 4 2000年以降の地方分権化に向けた制度構築
 おわりに

第5章 「地方の叛乱」の余波:1930年代初頭における制度改革を通じた中央・地方関係再編の試みとその限界(中沢知史)
 はじめに:手掛かりとしての「地方の叛乱」
 1 1930年代初頭のぺルー
 2 危機の中で行われた1931年大統領・制憲議会議員選挙
 3 1933年憲法制定の過程
 おわりに:改革の成果と限界

第6章 2022年末以降の政治危機の中で顕在化した構造的問題(岡田 勇)
 はじめに
 1 2022年12月のカスティジョ解任
 2 抗議と抑圧に表れた構造的分断
 3 解決の困難さ
 おわりに

後記
[本書での固有名詞の表記について]
編者・執筆者紹介
索引