本書について
90年代のフジモリ政権期を経た21世紀のぺルー政治をその根幹である国家―社会関係、地方分権化という2つに焦点をあて分析し、今後のゆくえを展望する。(出版社書籍案内より)
国際書院の書籍案内ページにてまえがき、あとがきが公開されておりますので、ぜひご覧ください。
目次
序章 現代ペルー政治の今日的位相(村上勇介)
はじめに:独立200年の選挙、カスティジョ政権の混迷と自壊
1 関心の所在と分析の焦点
2 先行研究と本書の視角
3 本書の構成と主な分析
4 カスティジョ政権とその後
第1章 現代ペルーの政治社会構造:変化と不変(村上勇介)
はじめに
1 最初の決定的契機とぺルー
2 二つ目の決定的契機とぺルー
おわりに
第2章 21世紀のぺルー政治:脆弱な政党、小党分裂化、アウトサイダーの再登場と混迷(村上勇介)
はじめに:アウトサイダーとしてのカスティジョ
1 2021年選挙の結果
2 小党分裂化の原因
3 政党をめぐる別の解釈とその批判
4 変わらなかったもの、変わったもの
おわりに
第3章 新自由主義レジームと地方分権化の中での社会紛争の政治(岡田 勇)
はじめに
1 新自由主義レジームと地方分権化の中での社会紛争
2 社会紛争の傾向
3 制度的な対策による社会紛争抑制の可能性
おわりに
第4章 中途半端な地方分権化(磯田沙織)
はじめに
1 なぜ地方分権化なのか
2 ぺルーにおける中央政府と地方政府との関係
3 2000年以前の地方分権化に向けた制度構築
4 2000年以降の地方分権化に向けた制度構築
おわりに
第5章 「地方の叛乱」の余波:1930年代初頭における制度改革を通じた中央・地方関係再編の試みとその限界(中沢知史)
はじめに:手掛かりとしての「地方の叛乱」
1 1930年代初頭のぺルー
2 危機の中で行われた1931年大統領・制憲議会議員選挙
3 1933年憲法制定の過程
おわりに:改革の成果と限界
第6章 2022年末以降の政治危機の中で顕在化した構造的問題(岡田 勇)
はじめに
1 2022年12月のカスティジョ解任
2 抗議と抑圧に表れた構造的分断
3 解決の困難さ
おわりに
後記
[本書での固有名詞の表記について]
編者・執筆者紹介
索引