20世紀のアジア太平洋戦争と収容所をテーマとする。戦時下中国奥地に成立した重慶政権による捕虜政策の推進者、日本人、ドイツ人、イタリア人を含む被収容者、国際救済機関の動向を検証し、人間の命と尊厳を21世紀の今日考究する。
目次
- はじめに: 閉塞感が漂う時代に対峙して
- 凡例
- *地図「重慶政権下の収容所分布図(1940年代前半)」
- *本書読み取り表 「各収容所に関する本書の論述箇所」
- 序論 対象と視角/意義と方法/基礎資料
- コラム1 WPA(YMCA国際戦俘福利会)
- コラム2 ICRC(赤十字国際委員会)
著者情報
貴志俊彦(Toshihiko KISHI)
所属:京都大学東南アジア地域研究研究所教授。日本学術会議連携会員、日本学術システム研究センター主任研究員、公益財団法人東洋文庫客員研究員を兼務。研究分野:20世紀東アジア史、東アジア地域研究、表象・メディア研究など。主要業績:
- 『視覚台湾:日本朝日新聞社報導影像選輯』鍾淑敏と共編著(台北:中央研究院台湾史研究所、2021年)。
- 『よみがえる 沖縄 米国施政権下のテレビ映像―琉球列島米国民政府(USCAR)の時代』論考編・DVD編、泉水英計・名嘉山リサと-共編著(不二出版、2020年)。
- 『京都大学人文科学研究所所蔵 華北交通写真資料集成』全2巻(論考編・写真編)、白山眞理と共編著(国書刊行会、2016年)。
- 『増補改訂 戦争・ラジオ・記憶』川島真・孫安石と共編著(勉誠出版、2015年)。
- 『日中間海底ケーブルの戦後史―国交正常化と通信の再生』単著(吉川弘文館、2015年)。
- 『東アジア流行歌アワー―越境する音 交錯する音楽人』単著(岩波書店、2013年)。
- 『近代アジアの自画像と他者―地域社会と「外国人」問題』編著(京都大学学術出版会、2011年)。
- 『満洲国のビジュアル・メディア―ポスター・絵はがき・切手』単著(吉川弘文館、2010年)。
- 『模索する近代日中関係―対話と競存の時代』谷垣真理子・深町英夫と共編著(東京大学出版会、2009年)
- 『文化冷戦の時代――アメリカとアジア』土屋由香と共編著(国際書院、2009年。中文版、台北: 稲郷出版社、2012年。韓国語版、Seoul: Somyong Publishing、2012)。
- ほか多数。