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ブックローンチ&ディスカッション
Packaged Food, Packaged Life: Corporate Food in Metro Manila Slums

エリベルト・ルイス・タフォヤ(Heriberto Ruiz Tafoya)氏をお招きし、当研究所が京都大学学術出版会とフィリピンのアテネオ・デ・マニラ大学出版会との共同で出版する英文モノグラフシリーズKyoto CSEAS Series of Philippine Studiesよりこのほど刊行されたPackaged Food, Packaged Life: Corporate Food in Metro Manila Slumsについてご紹介いただきます。また、討論者としてWalden Bello氏にオンラインでご登壇いただきます。

言語:英語

* 開催日時を変更しました(2023年11月16日→2024年1月24日)。
** 事前登録をお願いいたします。オンライン参加者には登録後に主催者よりZoom URLをお知らせします。

本書の概要:
なぜ、マニラ首都圏をはじめとする都市のスラムのサリサリ・ショップには、袋詰めや瓶詰め、缶詰めされたブランドもののパッケージ食品が何十種類も売られているのだろうか?本書によれば、都市のスラムで企業ブランド食品が大量に消費されているのは、単に個人のライフスタイルによる選択の結果であるだけでなく、企業ブランド食品に頼らざるを得ないよう、人々の良好な生活環境を妨げ機会を制限してきた歴史的状況の帰結でもある。著者は、自身のフィールドワークと徹底した資料調査をもとに、“Packaged Life”(パッケージされた生活)を特徴づける社会状況を固定的な状態としてではなく、進行中のプロセスと位置づける。著者の視点は、メキシコの都市貧困層としての自身の経験と、ラテンアメリカの倫理的・政治的アプローチとしてのbuen vivir (よく生きる、あるいは満ち足りた人生)、およびそれに対応するフィリピンのginhawa(幸福を生み出す力強い精神)の折衷的な融合から生まれている。
 本書は、グローバル・サウスにおけるパッケージ食品に頼る食生活に関する先駆的な著作であり、特に社会的に周縁化されたコミュニティにおける加工食品の小売と消費に関心のある読者にとって、信頼できる参考文献となっている。

報告者:Heriberto Ruiz Tafoya
メキシコシティ生まれ。京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。現在、特定非営利活動法人社会理論・動態研究所(STAD)研究員、京都大学東南アジア地域研究研究所連携研究員、同志社大学大学院ビジネス研究科非常勤講師。

討論者:Walden Bello
ニューヨーク州立大学ビンガムトン校社会学部客員教授。2009年から2015年までフィリピン下院議員を務め、2022年の選挙ではフィリピン副大統領に立候補した。1975年に米国プリンストン大学で社会学博士号を、1966年にアテネオ・デ・マニラ大学で文学士号を取得。フィリピンの政治経済から世界的な右派の台頭、中国と米国の対立に至るまで、25冊の著作がある。企業主導のグローバリゼーションの負の側面を明らかにした功績により、2003年にRight Livelihood賞(別名オルタナティブ・ノーベル賞)を受賞し、2008年にはInternational Studies Associationから優秀研究者に選ばれた。2023年京都大学東南アジア地域研究研究所に招へい研究員として滞在。

司会:Mario Ivan Lopez

主催:東南アジア地域研究研究所イベント委員会、出版委員会、広報委員会