CSEASに滞在するフェローを紹介するインタビューシリーズ Visitor’s Voice から、今年度、5本の記事の和訳版を公開しました。
彼らの研究活動にスポットを当てながら、研究の背景にある人々やさまざまなエピソードを含めて、一問一答形式で紹介しています。また、フィールド調査や執筆の際の必需品、おすすめの本、今後の抱負などについても語ってもらっています。どのインタビューも、研究者のみならず、未来の研究者や一般の方々にも新たな視点を提供する内容となっています。
日本語で読めるようになったことで、より多くの方に研究の面白さや重要性を感じていただければ幸いです。

ソラフディン
インドネシア研究/紛争政策分析研究所
インドネシアにおけるISISの系譜を理解する
“私はインドネシアにおけるISIS(イラク・シリア・イスラーム国家)の系譜を研究しています。ISISは今日、最も危険な国際的テロ組織です。ISISがシリアで「イスラーム国家」の樹立を宣言した際には、数千のインドネシア人が支援の声をあげました…”

マーク・リチャード・トンプソン
東アジア政治/香港城市大学
フィリピン史における民主主義の後退、反対派の抵抗、政治サイクル
“ブラウン大学でのルームメートであったフィリピン人から、フィリピンで研究するよう勧められ、私はロータリー財団の奨学金を得て、フィリピン大学(UP)ディリマン校の修士課程に進みました。当時はアキノ氏が暗殺された直後で、ほどなくしてマルコス政権が崩壊する直前でもあり、言うまでもなく、政治的に非常に興味深い時期でした…”

ソンパン・チャンムパラヨン
図書館情報学/チュラロンコン大学
不均衡な状況下での知識
…彼らは自分の仕事の意義を十分に理解しているのだろうかと私はよく思います。彼らの活動は(無自覚かもしれませんが)タイの文化と遺産の世界レベルでの保存と活用に大きく貢献しているのです。

ジャン=パスカル・バッシーノ
経済学/リヨン高等師範学校
「大分岐」における東南アジア(1600~1914年)
”記憶にある限り、私は常に生活水準の長期的な変化の測定と、その決定要因を探ることに関心を寄せてきました。私の研究はほとんどがこれをテーマとしています。大学で経済学を学ぶ前からも、私たちは人間のウェルビーイング(well-being)を十分に捉えているとは思えない指標の数々を使ってきたとも感じていました…“

グレゴリー・レイモンド
東南アジア政治/オーストラリア国立大学
21世紀における世界的な民主主義の後退―メコン川流域諸国の国境を越えた力学の理解から
“私の研究はすべて、何らかの点で東南アジア、特にタイを扱っています。2019年からは、中国の「一帯一路」構想といった国境を越えたインフラが、それまでつながりのなかった国々を結びつけ、地域をどのように変えていったのかに関心をもつようになりました…”
これまでに公開したVisitor’s Voiceシリーズの全ての記事は、以下のバナーからご覧ください。
